看護学士を取得したいけど、大学に編入して通学するのは仕事も家庭もあるし、現実的ではないし。。。通信制大学がいいというけど、手続きとか大変そうだし、実際どうしたらいいのだろう。
こんな悩みがありませんか?
本記事では、通信制大学を利用して働きながら看護学士を取得する方法と合わせて、看護学士を取得して大卒になるメリットや看護師のキャリアアップについても盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の執筆者あこは、40代現役ナース。
2016年〜2018年放送大学に編入し積み上げ単位を取得後、
2018年8月学士(看護学)を取得した経験者です。
単位認定試験、学修成果レポート、小論文試験全て一度で合格しました。
看護学士とは
そもそも看護学士とは一体何?
看護学士とは、主に4年制の看護大学を卒業した人に与えられる学位です。
1991年学校教育法の学位規則改定により、表記が変わったので「看護学士」から正しくは「学士(看護学)」というのが正式表記です。
看護師の場合は学士を持っていても「学士(看護学)」以外の学士の場合、大卒として扱われないことがあるようです。
専門学校卒、短大卒ナースが看護学士を取ろうとすると、看護大学に編入して卒業しなければならないということになります。働きながら大学に通うのは、とても大変で現実的ではありません。
そこで、本記事では看護師資格を持っていれば、4年制の看護大学を卒業しなくても看護学士を取得できる方法について深掘りします。
看護学士取得のメリット
では、看護学士を取得するメリットはなんでしょう。
考えられるのは次の4つです。
お給料、待遇の改善
最終学歴によって、初任給から学歴差が出るのが一般的です。
スキルや経験などを重視する場合もありますが、大卒で待遇が異なる場合にはお給料アップが期待できます。
キャリアアップ
看護学士を取得すること自体がキャリアアップですが、より高い位の学位を目指すことができます。
大学院に進み、修士や博士を目指したり、専門看護師への道も開かれます。
転職に有利
転職の際、学位があるのとないのでは差が出ることがあるでしょう。
また、大卒を条件としている職場への応募も可能になり選択肢が広がります。
海外で活躍したい場合は、学士がないと日本の資格が弱くなってしまうことがあるようです。
学び直し、知識の拡大
看護学士取得のための単位獲得の際に看護の知識を深めたり、新たな学びを修得したり、知識を広げることができます。
専門短大卒ナースが看護学士を取得する方法
現役ナースが看護学士を取得する方法は3つあります。
4年制看護大学を卒業、もしくは看護大学の夜間大学を卒業
文字通り働きながら、もしくは退職休職して大学へ編入し卒業する方法。
しかし、働きながら通うには、家庭との両立の問題や、体力的な問題もあり、難しいのが現状です。まして、仕事を休むとなると経済的な問題も降り掛かってきます。
通信制大学を卒業し、学位授与機構を利用
通信制大学の3年次、4年次に編入して必要単位を取得して大学を卒業し、学位授与機構へ申請し、学修成果レポート提出し合格。
その後に、小論文試験を受けて合格すると、晴れて看護学士を取得できます。
編入しなくても必要単位を取得すれば、学位授与機構に申請できますが、履歴書に大学卒業と書けるので、私はこの方法を選びました。
通信制大学で必要単位を取得して学位授与機構を利用
通信制大学に編入しなくても、科目履修生として必要単位を取得して学位授与機構へ申請できます。
そして、学修成果レポート提出し合格。
その後に、小論文試験を受けて合格すると、晴れて看護学士を取得できます。
この方法は、最短1年で習得できるので人気なのですが、履歴書に「学士(看護学)」はかけますが、大学卒業とはかけません。
看護学士取得のためのおすすめ通信制大学については「【看護学士取得】におすすめの通信制大学4選」こちらの記事もご覧ください。
学位授与機構を利用して看護学士を取得する方法は「【体験談】と看護学士の取得方法。学位授与機構を利用する」こちらの記事もご覧ください。
学位授与機構を利用して看護学士取るのは難しい?
一般的に必要単位を取得して、学位授与機構に申請して、学修成果レポートを書いて、小論文試験を受けて。。
この過程を聞いているだけで、大変そうって思ってしまいますが、いざ行動してみると、思っていたほど大変ではなかったというのが、私の実体験からの感想です。
もちろん、簡単ではありません。
期間もかかりますし、必要単位を習得するのも単位ごとに試験があります。
私は、学び直しもかねて興味を持って学習を進めてきました。
この興味を持つってところがポイントなんだと思います。
いやいやでは辛いだけです。
私の場合は、学生の立場で学ぶということは久しぶりで、若干ワクワクする気持ちもありました。
結論、一つ一つを確実にこなしていけば決して難しいことではありません。
一番の難関は、やはり学修成果レポートと小論文試験だと思います。
しかし、迷っているなら
今、行動しましょう。
学修成果レポートの書き方については「【学修成果レポート実例あり】書き方のヒント、看護学士を取るために」こちらの記事もご覧ください。
看護学士を取得しスキルアップ
看護学士取得を目指そうとする方は学ぶ力が優れている方が多いです。
ですので、看護学士を取得すると、さらなるスキルアップを目指したくなるかもしれません。
看護学士取得後、どのようなスキルアップがあるのか考えてみましょう。
看護学士取得の看護大卒と同等の学歴や知識、努力が認められて昇給や管理職への昇進につながることもあります。
または、大学院に進学して専門看護師や公認心理士などに挑戦しさらなる専門知識をインプットするのもありでしょう。
修士号や博士号を目指して、大学病院の管理職や看護大学の教員という道もあります。
その他に国連や厚生労働省の専門職に応募できたり、研究員という道もあるかもしれません。
考えるとわくわくしてきますね。
看護師の働き方
看護学士を取得して、知識が広がることにより、自分の理想に合った働き方や職場を模索したくなるかもしれません。
看護師というと病院やクリニックのナースというのが一般的ですが、他にもいろいろな職場があります。
思いつくものをあげてみます。
✔︎介護保険施設などの老人施設
介護保険施設とは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などです。
利用者の健康管理、投薬管理を行うのが主な仕事です。
✔︎訪問看護師
訪問看護ステーションに所属して、地域の患者さん宅に訪問しサポートするのが仕事です。
✔︎病棟の夜間専門ナース
病棟ナースは夜勤があり生活が不規則になるのを負担に感じる方多いです。
それなら、夜勤専属で働くというのも一つの方法です。
✔︎企業の産業ナース
企業の従業員の健康指導、健康相談などが仕事です。
✔︎保健所、健診センター
保健師が多く、看護師の求人は少ないです。病気を予防するのがメインの仕事。
✔︎検疫官
今のご時世、検疫の仕事は忙しくなってます。
国家公務員で、全国の港湾、空港の検疫所に勤務。
✔︎保育園や幼稚園
園児の健康管理、応急処置がお仕事です。
✔︎応援ナース トラベルナース
期間を決めて、他都道府県に応援勤務します。
応援ナースで自由な働き方については「【自由な働き方】応援ナースなら叶えられる理由」こちらの記事もご覧ください。
✔︎ツアーナース
学校や集団の旅行に添乗して、体調不良者や怪我の応急処置を行ます。
✔︎献血ルーム
✔︎コールセンター
電話で健康相談などを受けるお仕事です。
✔︎知的・身体・精神障害者支援施設
障害者福祉施設で健康管理、衛生管理をするのがお仕事です。
介護の側面が多くなります。
✔︎児童福祉施設
✔︎治験コーディネーター
病院などで治験のサポート
思いつくだけでこれだけあります。
また、看護学士を取得しなくてもさらなるプラス資格を取ると、もっと選択肢が広がります。
例えは、
✔︎ケアマネージャー
正式名称は介護支援専門員です。
介護を必要とされる方のケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険のスペシャリストです。
自宅で暮らす介護が必要な老人のケアプランを作成したり、老人ホームなどの施設の入居者のケアプランを作成します。
取得方法は、年一回行われる介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格するとなれます。
受験資格があり、規定の保健・医療・福祉に関する国家資格を保有し5年以上かつ900日以上の実務経験がある、または生活相談員・生活支援相談員として5年以上かつ900日以上の実務経験があるものです。
✔︎認定看護師
日本看護協会の認定看護師制度委員会が定めた認定看護分野は19分野あります。
特定の看護分野において熟達した高度な知識・看護技術を持っている看護師として、日本看護協会の認定を受けた方を指します。
認定看護師になるには看護師の国家資格を取得し、5年以上の実務経験があることが資格取得条件で、さらにそのち3年以上は認定看護分野の実務研修であること。
さらに、認定看護師教育機関で6ヶ月、800時間+特定行為研修の実習時間の教育課程を終了していること。
これをクリアし認定試験合格すると認定看護師認定証交付、登録されます。
その後も5年ごとに更新が必要です。
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✔︎看護学校の教員
看護学校の教員になるには、保健師、助産師又は看護師として臨床経験5年以上が必要です。
さらにプラスして、次の3つの資格
- 護教員養成研修を受講している
- 大学において教育に関する単位を4単位以上取得している(この場合は臨床経験3年でも可)
- 看護師の教育に関して同等以上の学識経験があると認められるもの
✔︎養護教論
看護師から養護教論になるには、通信制大学などに編入して養護教論免許を取得する必要があります。その後、教員採用試験に合格すると養護教論として働くことができます。
まとめ
今回は、通信制大学を利用して働きながら看護学士を取得する方法と合わせて、看護学士を取得して大卒になるメリットや看護師のキャリアアップについてまとめました。
看護師を長く続けていると、疑問や壁にぶち当たることがあると思います。
そんな時、学びたいという気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
私は、そうでした。
または、昇進などに伴い必要に迫れれて看護学士取得に取り組む方も多いです。
きっかけはなんであれ、学ぶということは新しい知識が増え、広い考え方ができるので視野が広がります。看護師の仕事をする上で、大きな助けとなります。
学ぶことは、苦労もありますが楽しいですね。
今後も、いろいろ学び続けたいと思います。
今回、看護学士を取得するにあたりとても参考になった本がありますのでご紹介します。
この「短大・専門学校卒ナースがもっと簡単に看護大学卒になれる本」という本は読まないと損ですね。
*2023年1月27日 更新情報*
文末でご紹介している「短大・専門学校卒ナースがもっと簡単に看護大学卒になれる本」が改訂され今度は3部構成で発行されます。その2巻にあたる本が2022年12月5日に発売されました。
まずは、こちらの【最新版】をおすすめします。
看護学士取得を目指すきっかけ本でした。「【看護学士取得を目指すきっかけ本】ナースがもっと簡単に看護大学卒になれる本【書評】」こちらの記事もご覧ください。
学修成果レポートの作成で参考にした本については「【学修成果レポート】を完成させるための参考本まとめ5選」こちらに記事もご覧ください。